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今日、会社でディオバン論文騒ぎの話が出たので、せっかくだし書いてみようと思いました。てへっ(´∀`)

薬関連ということで久々にコテコテ医療系なブログになりました。
一応最初と次のパラグラフで「ディオバンってどんな薬やねん」ってとこから書いてみたのですが…
まぁマニアックな話ですし、ご興味ないようでしたらブラウザを閉じちゃってください(^^;

※'続編追加
13.7.13 ツタヤなりにディオバン論文問題を整理してみる 2
13.7.31 ツタヤなりにディオバン論文問題を整理してみる 3
13.12.8 ツタヤなりにディオバン論文問題を整理してみる 4
13.12.18 ツタヤなりにディオバン論文問題を整理してみる 5

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「ディオバン」という薬なのですが、血圧を下げる「降圧剤」です。
日本国内の高血圧の患者さんは2000万人程度いると言われる(とツタヤは聞いたことがある)のですが、そんな高血圧の患者さんによく使われている降圧剤で、2013年現在、日本国内で1000億円以上の売り上げを持ち、国内で使われている薬としては確か2番目か3番目くらいの売り上げを誇る薬です。

ツタヤが元々MRしていた会社は一応東証一部企業だったのですが、それでも売上は500億円前後だったので、薬1コで1000億円って数字のすごさはなんとなくお分かり頂けると思います。

ついでに言うと、このディオバンは有効成分として「バルサルタン」という物質だけを含んでいるのですが、他にも利尿剤と合わせた「コディオ」ですとか、作用機序の違う降圧剤と混ぜた「エックスフォージ」とかも出しているので、これら「ディオバンファミリー」としての売上を見れば、さらにものすごいことになるでしょう。

さらに言うと、メーカーのノバルティス社はスイスに本社を置く世界的な企業で、地球上のいたる国の高血圧の患者さんがこのディオバンやその類約を飲んでいます。世界での売上も確か降圧剤としてはトップです。

降圧剤としての世界的なベストセラーで、とにかくすっげぇ売れている。
だからここまでマスコミが騒ぐのだと思います。

・・・・・・・・・・

で、このディオバンなのですが、降圧剤の中でも「ARB」(AngiotensinⅡReceptor Blockers:アンジオテンシンⅡ受容体阻害薬)というジャンルに分類されます。

この「アンジオテンシンⅡ」というのが血管をギューッと縮めるホルモンなのですが、ディオバンなどARBはそのホルモンの受容体をブロックしてしまうことで、血管が縮めることを防ぎ、それによって血圧を下げます。

こんな風に血管を広げる働きのあるARBですが…
これは元々いたメーカーで聞いた話なのですが、腎臓に関しては「流入動脈」と「流出動脈」があって、ARBの類は「流出動脈」の方を特に広げ、腎臓にかかる圧力を減らす働きがあるとのことでした。
まぁつまりARBは腎臓に優しい、と。

で、医学の世界では「心腎連関」なんて言葉もあるものですから、ARBが腎臓にいいのであれば心臓や他の血管系にもいいんじゃないかってアイディアは自然と浮かぶものだと思うんですね。

そんなわけで、問題となった京都府立医科大のスタディ名が「KYOTO Heart study」と、ディオバンと心血管系イベントの発症率の関連を調べてみた、という内容になっているのだと考えられます。
具体的には、ディオバンを投与した場合と、ARBでない降圧剤を投与した場合の、イベントの発生率の差。

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で、本題に移るのですが。
今回の出来事を今日時点まで整理してみると

京府医でのスタディの論文が、海外の学会にデータの統計学的な不正を疑われた

ざわっ(もしかして組織的な捏造じゃないか?etc)

ん?京府医の教授先生が辞職なさった

ざわざわざわっ(うわー先生が辞めた!ますます怪しい!etc)

あれ?ノバの社員が絡んでる!?

ざわざわざわざわざわざわ…(大学と製薬企業の癒着があったんじゃないのか!?etc)

って、大雑把にはこんな感じだと思います。

で、ここからはツタヤとしての見解ですが、マスコミが騒ぎ過ぎそれに尽きる

そりゃ多くの患者さんがお使いになっているお薬ですし、この情報を世の中に伝えるべき役目はマスコミにはあると思いますが、だからってそこまで騒がなくてもいいでしょうと。

だいたい、データをまとめることに製薬企業の人間が絡んでいるケースなんて、探せばいっぱい出てきますよ。
臨床研究でイニシアチブとるような先生って言ったら、大学職員でもランクが上の方で相当に忙しいんですし、データの整理なんかを頼まれたらやっぱり引き受けてあげたくなっちゃいますよ。
普段自分とこの会社の薬を使ってくださっている先生方ですし、それに製品に新たな情報を付加することが出来るわけですもの。

もちろんデータをまとめる上で「不適切な部分」があり、さらにその論文がノバのMRさんの販促資材として使われ、多くのドクターが読まれ、それをきっかけとして多くの患者さんにディオバンが処方されてしまった事実はあると思いますが。
ここで焦点にすべきは、あくまで「データに不適切な部分があったこと」「その不正が、過失か故意か」だけだと思います。
別にツタヤから見るとノバの職員さんが身分を隠していただとか、ノバから京府医への研究寄付金がどうこうだとかは、
どこのメーカーでも多かれ少なかれやってることなんだから、1社だけ取り上げてスケープゴートにするな!!!
論点がずれる上に余計な感情論が交じる!!!
って感じです。

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ただ、ここで元々メーカーにいた身分として、思うことが2つほどあります。

1つは、やっぱり対抗ARBメーカーからしたら「ずるい」って思ってしまうんじゃないか?ということ。

降圧剤って、投与してみて患者さんの血圧をうまくコントロール出来ると、先生方もなかなか変えにくいと思うんですよ。
ディオバンは国際的に使用経験とエビデンスのある、間違いなくいい薬です。
適切でない論文がきっかけだったとしても、それで処方が拡大されて結果的に患者さんにうまく効いてしまうことだって十分有り得る。
どんなきっかけでも処方して効いちゃったら変えにくいから、「嘘ついてでも早く処方獲得した者勝ち」みたいな理屈が成り立ってしまう。
それじゃ真面目に頑張ってる自分たちは何? って気分に、ライバルメーカーさんはなってしまうと思うんですよね。 

もう1つは、ノバの方々の、居心地の悪かろう立場。

そりゃ全社員の責任だって理屈ももちろんあるかもしれないですけど、実際スタディの生データに関われる人間なんて相当に限られていて、特に社員の大半を占める営業部隊や臨床開発部隊の方々からしたら、完全に自分の知らないところでの不正なんですよ。
それが知らないうちにマスコミにさらされて、気づいたら「おたくの会社は!」って責められる立場にあって。

おまけに京府医が、ディオバンを含めたノバからの医薬品購入を制限したとかって…
それは完全にとばっちりだろう∑('□';)
そのやり方は患者さんに不利益があるないですか。
京府医側にだって責任はあるはずなのに、何でノバにしか痛みのない措置を取ってんだと。
担当MRさんが売上飛んで泣くぞ!←てのは話題にすべきじゃないでしょうか(^^;)

いやぁ…ある意味目の話せない事件です。

・・・・・・・・・・

で、改めてツタヤ的見解を述べますと。
マスコミがギャーギャー騒いでいる間は、こういったくすぶりはなかなか消えないと思います。

マスコミのネタがうまいこと尽きて、一連の騒ぎが出来るだけ早く収束するよう、一刻も早く事実が明らかになり、それに準じた対応が取られて欲しいなぁと、ツタヤとしては思います。


※ん? 今日は文頭に「で」が多い。


~関連エントリ~
ツタヤなりにディオバン論文問題を整理してみる 2
ツタヤなりにディオバン論文問題を整理してみる 3
ツタヤなりにディオバン論文問題を整理してみる 4
ツタヤなりにディオバン論文問題を整理してみる 5


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2013.06.03 / Top↑
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